こんにちは、管理人の『そら』です。
今回は、「夏休みが終わる直前に、子どもから『学校に行きたくない』と言われた」「行かせるべきか、休ませるべきか分からない」というお悩みについてお答えします。
朝食を出し、着替えを促し、家を出る時刻を気にしているとき。突然「学校に行きたくない」と言われると、保護者もすぐに答えを出さなければならないように感じるかもしれません。

明日から学校なのに、「行きたくない」と言い出しました。
休ませたら、このまま行けなくなるのではと心配です。でも、無理に行かせるのも怖くて……。

朝の短い時間で言われると、どう判断すればよいのか迷いますよね。
まずは登校するかどうかを決める前に、今の安全とつらさを確かめてみましょう。
夏休み明けに「学校に行きたくない」と言われても、その朝だけですべてを決めなくてよい
先に結論をお伝えすると、「学校に行きたくない」という一言だけで、子どもの状態やその後の登校について判断することはできません。
まず確認したいのは、今すぐの危険や強い体調不良がないか、何に困っているのか、学校へどのような情報を伝える必要があるかという点です。そのうえで、その日の過ごし方や次に話す時刻を決めていきます。
その朝の目標は、理由をすべて聞き出すことでも、何としても登校させることでもありません。安全を確かめ、子どもの言葉を受け取り、次に相談できる人へつなぐことです。
文部科学省は、2026年7月の通知で、長期休業明け前後の子どもの変化を見守り、保護者が把握した悩みや変化について積極的に学校へ相談するよう案内しています。
「学校に行きたくない」という一言だけで、自殺の危険があると判断することはできません。ただし、「怠けているだけ」とその場で片づけず、いったん立ち止まって安全や体調を確認する必要があります。
最初に、今すぐ安全を優先する場面を確認してください
登校について話し合う前に、命や身体に関わる危険がないかを確認します。
次のような様子がある場合は、通常の登校相談よりも安全確保を優先してください。
- 「死にたい」「消えたい」「いなくなりたい」などの言葉がある
- 自分を傷つけている、薬を大量に飲んだ可能性がある
- 自分を傷つける方法・場所・時刻について具体的に話している
- 暴力や深刻ないじめなど、身の危険を感じる出来事を話している
- 行方が分からない、呼びかけへの反応がおかしい、重いけががある
子どもを一人にせず、可能なら別の信頼できる大人にも連絡してください。
命に関わるけががある場合や、薬を大量に飲んだ可能性がある場合、意識に異常がある場合は、119番へ連絡します。
事件や暴力による差し迫った危険がある場合は、110番へ連絡します。
家庭内での虐待が疑われる、または保護者自身が子どもを傷つけてしまいそうなときは、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」へ相談できます。
今すぐの危険までは判断できないものの、学校やいじめなどについて早く相談したいときは、子どもと保護者が利用できる「24時間子供SOSダイヤル」もあります。
24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(なやみいおう)
夜間・休日を含め、24時間受け付けています。
子どもから「誰にも言わないで」と頼まれることもあります。その場合も、命や身体の危険が考えられるときは秘密を約束せず、「あなたを守るために、必要な大人へ一緒に伝えたい」と説明してください。
親が最初に確認したい4つのこと
今すぐの安全と体調を確認する
最初の質問を「学校へ行ける?」にすると、子どもは登校できるかどうかを答えなければならなくなります。まずは、今の身体と安全について、一つずつ尋ねます。
- 「どこか痛いところや、気持ち悪いところはある?」
- 「昨夜は眠れた?」
- 「学校で、会うのが怖い人や場所はある?」
- 「今、自分を傷つけたい気持ちはある?」
最後の質問は、死や自傷を思わせる言葉があった場合に、曖昧にせず確認するためのものです。話題をそらしたり、強く否定したりせず、子どもの答えを聞いてください。
腹痛や頭痛、吐き気などがあるときも、「学校へ行きたくないから言っている」と決めつけないようにします。症状が強い、続いている、普段と明らかに違う場合は、医療機関への相談も検討してください。
今すぐできる10秒の行動は、子どもが実際に言った言葉を、かぎ括弧に入れて一行だけメモすることです。
「学校が嫌みたい」と要約せず、「教室に入るのが怖い」「宿題を出せない」のように、本人の言葉をそのまま残します。あとで学校へ相談するときにも、状況を正確に伝えやすくなります。
理由を急いで説明させない
保護者としては、「なぜ行きたくないのか」が分からないと、その日の判断をしにくく感じます。しかし、子ども自身も原因を一つにまとめられないことがあります。
「どうして?」「何があったの?」と続けて尋ねるより、答えやすい選択肢を一度だけ示してみてください。
- 「今いちばんつらいのは、体のこと、学校のこと、それともまだ分からない?」
- 「人に会うこと、教室に入ること、勉強のこと。この中に近いものはある?」
- 「口で話しにくければ、あとでメモでもいいよ」
子どもが「分からない」と答えたら、その言葉も一つの答えとして受け取ります。
「分かった。今は分からないままでいいよ。お昼にもう一度、5分だけ話してもいい?」と、次に話す時刻を決めておく方法もあります。

理由が分からないままだと、学校へ何と連絡すればよいのでしょうか。
私の聞き方が悪いのではないかと焦ってしまいます。

理由が分からなくても、今朝の言葉や様子は伝えられます。
保護者が原因を突き止めてからでなければ、学校へ相談できないわけではありませんよ。
「宿題が終わっていないから行けない」と話した場合は、残っている量を責めずに整理する方法を、こちらの記事で紹介しています。

子どもの言葉を変えずに学校へ伝える
学校へ連絡するときは、保護者の推測より、確認できた事実を中心にします。
次の5項目をすべて埋める必要はありません。分かる範囲だけで構いません。
| 伝える項目 | 例 |
|---|---|
| 子どもが言った言葉 | 「教室に入るのが怖い」 |
| 言い始めた時期 | 昨夜から/今朝初めて |
| 今朝の様子 | 泣いている/着替えの途中で動けない |
| 体調 | 発熱はない/腹痛を訴えている |
| 学校へ相談したいこと | 今日の対応と、話せる先生や場所を相談したい |
電話や連絡アプリでは、次のように伝えられます。
「今朝、本人が『教室に入るのが怖い』と話し、着替えの途中で動けなくなっています。理由はまだ本人も言葉にできていません。今日の対応と、本人が話しやすい先生や場所があるか相談したいです」
担任だけでなく、養護教諭、スクールカウンセラー、学年主任などへ相談できる場合もあります。誰に相談できるか、連絡方法や利用条件は学校によって異なるため、学校へ確認してください。
本人には、「今話してくれたことを、先生にも伝えるね」と先に説明します。誰にどこまで伝えてよいか相談できるときは、子どもの希望も聞きます。
ただし、命や身体の危険が考えられる内容は、子どもが伝えたくないと言っても、安全を守るために必要な大人と共有してください。
今日の対応と、次に話す時刻を決める
登校するか欠席するかだけでなく、学校によっては、遅れて登校する、別の入口から入る、教室以外の場所で過ごす、話しやすい先生と先に会うなどの対応を相談できることがあります。
利用できる対応は学校ごとに違います。「今日はどのような選択肢がありますか」と尋ね、子どもの今の状態と照らし合わせて考えます。
その日に自宅で過ごすことになった場合も、朝から晩まで理由を聞き続ける必要はありません。
「お昼を食べたあとに5分」「18時にもう一度」など、次に話す時刻を一つ決めます。それまでは、子どもを安全に見守りながら、学校からの返答を待ったり、保護者が相談先を調べたりします。
朝の段階で、ひとまず整理したいのは次の3点です。
- 今すぐの危険がないか
- 誰が学校へ連絡するか
- 次に子どもと話すのは何時か
一日で原因や今後の登校方法まで決めようとすると、子どもにも保護者にも負担がかかります。その朝に必要な判断と、あとから相談できることを分けてください。
「行かせるべきか、休ませるべきか」に一つの答えはありません
子どもの体調、学校で起きていること、年齢、これまでの経過によって、必要な対応は変わります。
一度の「行きたくない」だけで今後を予測することも、登校すれば解決したと判断することもできません。
文部科学省は、不登校の子どもへの支援について、登校という結果だけを目標にせず、本人や保護者の意思を尊重しながら、学校や関係機関が状況に応じて支援する必要があるとしています。
これは「ずっと休ませればよい」「学校へ行かせてはいけない」という意味ではありません。学校で何が負担になっているのか、どのような学び方や関わり方なら安全なのかを、本人・家庭・学校で確認していくという考え方です。
| 今の状況 | 先に行うこと |
| 命や身体に差し迫った危険がある | 一人にせず、119番・110番などへ連絡する |
| 強い体調不良がある | 登校の判断より、必要な医療相談を優先する |
| 人や場所への具体的な恐怖を話している | 学校へ内容を共有し、安全な対応を確認する |
| 理由は分からないが登校を嫌がっている | 今朝の様子を学校へ伝え、当日の選択肢を相談する |
| 同じ状態が続いている | 学校内外の相談先や医療機関も含めて支援を広げる |
すでに焦りから強い言葉をぶつけてしまった場合も、そこから対応を変えられます。言いすぎた後の謝り方や、次の話し合いへつなげる方法はこちらにまとめています。

学校へ行きたくない状態が続くときは、家庭だけで抱え込まない
次のような状態が続く場合は、担任や養護教諭、スクールカウンセラーなどへ継続して相談してください。
- 「行きたくない」という言葉や欠席が繰り返される
- 眠れない、食事が取れない、腹痛や頭痛などが続く
- 特定の人や場所への強い恐怖を話している
- 子どもがほとんど話せず、保護者も対応に行き詰まっている
- 家庭生活にも大きな変化が出ている
学校へ相談しにくい、学校だけでは対応が進まないという場合は、教育委員会の教育相談窓口や教育支援センターなども選択肢になります。文部科学省の「不登校に関する地元の相談窓口」では、都道府県別の情報を確認できます。
体や気持ちの変化が続き、医療機関へ相談すべきか迷う場合は、かかりつけの小児科や地域の公的な相談窓口へ、保護者だけで相談する方法もあります。
子ども本人が相談に行きたがらなくても、保護者が先に状況を伝え、利用できる支援を尋ねることはできます。一人の保護者だけで、登校・学習・体調・将来のことまで判断し続けないでください。
最後に
夏休み明けの朝に「学校に行きたくない」と言われると、この場で正しい答えを出さなければならないように感じるかもしれません。
しかし、その朝に必要なのは、今後すべてを決めることではありません。
まず、子どもが言った言葉を一行だけメモしてください。安全と体調を確認し、分かっている事実を学校へ伝え、次に話す時刻を決めます。
理由が分からないままでも、相談は始められます。
この記事を読んで感じたことや、保護者として抱えた戸惑いを言葉にしたいときは、ページ下の「お便りポスト」も使えます。
ただし、お便りポストは、緊急対応や登校可否の個別判断を行う窓口ではありません。安全への不安があるときは、学校や公的な相談窓口へ先に連絡してください。
参考資料
- 「令和8年7月3日 児童生徒の自殺予防に係る取組について(通知)」/文部科学省/2026年(2026年8月19日確認)
- 「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」/文部科学省/2019年(2026年8月19日確認)
- 「生徒指導提要(改訂版)」/文部科学省/2022年(2023年2月23日・誤字等修正)(2026年8月19日確認)
- 「24時間子供SOSダイヤル」について/文部科学省/2011年(2026年8月19日確認)
- 「不登校に関する地元の相談窓口」/文部科学省(2026年8月19日確認)
- 「こころの相談窓口」/厚生労働省(2026年8月19日確認)
- 「児童相談所虐待対応ダイヤル『189』について」/こども家庭庁(2026年8月19日確認)
- 「119番緊急通報」/総務省消防庁(2026年8月19日確認)
- 「都道府県警察の少年相談窓口」/警察庁/2026年(2026年8月19日確認)

