親や親戚に言われた言葉を引きずっていませんか?——傷ついた気持ちを整理する4つの手順

親や親戚に言われた言葉を整理するためのノートとペン お悩みへのお返事

こんにちは、管理人の『そら』です。

帰省や家族との食事を終えて、いつもの生活へ戻ったあと。仕事をしているときや寝る前に、親や親戚から言われた一言が急に浮かんでくることはありませんか?

「まだ結婚しないの?」「その仕事、いつまで続けるの?」「少し太ったんじゃない?」。その場では笑って流したのに、あとから悔しさや悲しさが込み上げ、「私が気にしすぎなのかな」と自分まで責めてしまうことがあります。

相手に悪気があったかどうかと、自分が傷ついたかどうかは別の話です。

帰省中に親から言われたことが、家に戻ってからも頭から離れません。
何度も思い出してしまう自分にも、疲れてきました……。

そら
そら

気にしないように抑え込むより、まずは「何と言われ、どのような意味に聞こえたのか」を分けてみましょう。
本人へ伝えるかどうかは、そのあとで考えられます。

親に言われた言葉は、無理に忘れようとしなくていい

親や親戚に言われた言葉を引きずっていると、「早く忘れなければ」「家族の言葉くらい受け流さなければ」と考えるかもしれません。

けれど、傷ついた直後に無理やり忘れようとすると、「まだ気にしている自分は弱い」と、新しい責め言葉を加えてしまうことがあります。

必要なのは、すぐに忘れることではなく、実際に言われた言葉と、そこから浮かんだ自己評価を分けることです。

相手の言葉には、その人自身の価値観や期待が含まれている場合があります。親や親戚に言われたからといって、その内容が自分の生き方や価値を決める事実になるわけではありません。

一方で、「気にしすぎだった」と結論づける必要もありません。踏み込まれたくない話題に触れられた、言い方がきつかった、大勢の前で話された——傷ついた理由が見つかることもあります。

この記事で目指すのは、親を許すことでも、相手の言葉を好意的に解釈し直すことでもありません。

言葉が浮かんだときの苦しさを整理し、これから何をするか、何をしないかを自分で選び直すことです。

言葉そのものと「自分が受け取った意味」が重なることがあります

厚生労働省「こころの耳」の「eラーニングで学ぶ 15分でわかる認知行動変容アプローチ1」では、感情が動いたときに頭をよぎる考えを「自動思考」と呼び、私たちの感情はその影響を受けると説明しています。

たとえば、「その仕事、まだ続けているの?」という一言を聞いて、「私の仕事は価値がないと思われた」「私は決断できない人だと思われた」と受け取ることがあります。

「結婚はまだ?」という質問が、「今の私は不十分だ」「周りより遅れている」という意味に聞こえる人もいるでしょう。

こうした受け取り方が浮かぶこと自体を、責める必要はありません。ただ、実際に言われた言葉と、そこから自分が受け取った意味は、同じものではありません。

二つを分けて見ると、相手の言葉を自分への最終評価として抱え続けず、今必要な対応を考えやすくなります。

思い出した瞬間は、短く今の場所を確かめる

「こころの耳」では、マインドフルネスについて、五感を使って今に集中する方法と説明しています。

ここからは、その考え方を、言葉が急に浮かんだ場面へ当てはめた一例です。

言葉を思い出したら、心の中で「今、あの言葉を思い出している」と確認します。次に、足の裏が床に触れている感覚や、目の前にある物の色や形を一つ確かめてみてください。

これは、厚生労働省が示している決まった手順ではなく、「あのときの会話」と「今いる場所」をいったん分けるための簡単な確認方法です。

呼吸や体の感覚へ意識を向けるとかえって落ち着かない人は、無理に続けないでください。その場合は、目の前にある物の名前や色を確かめるなど、外側にあるものへ意識を向ける方法もあります。

親や親戚の言葉を引きずるときの4つの整理手順

スマートフォンのメモや紙を用意し、次の4項目を順番に書きます。すべて埋める必要はなく、最初の項目で止める日があってもよいでしょう。

書くほどつらさが強くなる場合は、そこで中止してください。言葉を詳しく再現せず、「仕事のこと」「外見のこと」と話題だけ残す方法もあります。

実際に言われた言葉を書く

最初は、相手が言った言葉だけを書きます。

  • 「まだ結婚しないの?」
  • 「その仕事、いつまで続けるの?」
  • 「前より太ったんじゃない?」

「否定された」「見下された」は、この段階では書き加えません。それは次の手順で扱う「自分が受け取った意味」だからです。

正確な言い回しを覚えていないなら、「だいたいこのような内容だった」と分かるようにしておきます。思い出せない部分を埋める必要はありません。

受け取った意味と気持ちを分けて書く

次に、その言葉が自分にはどのような意味に聞こえたのかを書きます。その横に、湧いてきた気持ちも一つ添えてみましょう。

  • 受け取った意味:「今の生き方を認めてもらえていない」
  • 気持ち:悲しい、腹が立つ、恥ずかしい、悔しい

怒りと悲しさが一緒にあることもあれば、気持ちの名前が分からないこともあります。その場合は、「胸が重い」「モヤモヤする」とだけ書いてみます。

傷ついたという感覚は確かにあっても、頭に浮かんだ自己評価まで事実だと決まったわけではありません。

今確認できる事実・選択肢を一つ置く

受け取った意味の横に、相手の発言だけでは分からない事実や、自分に残されている選択肢を一つ書きます。

無理に前向きな言葉をつくるのではなく、相手の一言だけでは見えていない情報を補うイメージです。

  • 相手は、私の仕事の内容や事情をすべて知っているわけではない
  • 結婚や子どもについて、親戚へ詳しく話すかどうかは自分で選べる
  • 外見に関する話題を、次回は断ることもできる
  • 今後の関わり方を、今日決める必要はない

自分のことになると何も思いつかないときは、「同じ言葉を大切な友人が言われたら、私は何と返すだろう」と考えてみてください。

日本心理学会は、困難な状況にいる自分へ思いやりを向け、経験をすぐに良い・悪いと裁かず受け止める考え方を、セルフ・コンパッションとして紹介しています。

「そんな言い方をされたら、傷つくこともあるよ」「その一言だけで、あなた全体が決まるわけではない」。

これは事実を書き換えるための言葉ではありません。事実や選択肢を書いた下に、自分を責めすぎないための一文として添えてみます。

次に選ぶ行動を一つ決める

最後に、今できる行動を一つ選びます。相手へ気持ちを伝えることだけが、行動ではありません。

  • 今回は返事をせず、メモを閉じる
  • 信頼できる人に、言われたことと気持ちを話す
  • 次に同じ話題が出たときの一文を用意する
  • 次回の滞在時間を短くする
  • 一対一にならないよう、頼れる人の近くにいる

選んだ行動は、あとから変えられます。今日は「何もしない」と決め、数日後に「次回の返事だけ考える」へ変えることもできます。

次に同じ質問をされたときは、次のような短い一文が使えます。

「その話は、今はしないでおくね」

「仕事のことは自分で考えているから、詳しくは話さないよ」

「外見のことは、話題にしないでもらえると助かるな」

帰省中に使える返し方や、説明を増やさず会話を区切る方法は、帰省で親戚に「結婚は?」「仕事は?」と聞かれてつらい|4つの返し方にまとめています。

4項目メモは、この形で一行ずつ書けます

1.言われた言葉

2.受け取った意味・気持ち

3.今確認できる事実・選択肢

4.次に選ぶ行動

一例を表にすると、次のようになります。

言われた言葉受け取った意味・気持ち今確認できる事実・選択肢次に選ぶ行動
「その仕事、まだ続けているの?」選択を否定されたようで悔しかった相手は仕事内容や事情をすべて知っているわけではない次回は「仕事のことは自分で考えているよ」と区切る

書いてみたら、言葉そのものより、「私は認めてもらえていない」と受け取ったことが苦しかったと分かりました。
でも、本人に話すのはまだ怖いです。

そら
そら

気づいたことを、すぐ本人へ伝える必要はありません。
話す、距離を調整する、今は何もしない。その中から、今の自分にとって負担の少ないものを選べます。

伝えるかどうか、許すかどうかは急いで決めなくていい

「傷ついたと伝えたら、謝ってくれるかもしれない」と思う一方で、「そんなつもりではなかった」「気にしすぎだ」と言われるのが怖いこともあります。

関係を続けたいから伝える人もいれば、話しても受け止めてもらえないと考え、今後の距離を調整する人もいます。今すぐ結論を出さなくてもよいでしょう。

伝える場合は、相手の性格を決めつける言い方より、言われた内容・自分の気持ち・今後の希望を短く分けます。

「この前、『その仕事をまだ続けているの?』と言われたとき、選択を否定されたようでつらかった。次からは、仕事のことは私から話すまで聞かないでほしい」

伝える内容は、一度にすべてでなくてもいいのです。話そうとすると涙が出たり、言葉が止まったりする方は、言いたいことを伝えようとすると、涙が出てしまいませんか?——話す前にできる4つの準備で、伝えたい一文や休止の合図を準備する方法を紹介しています。

相手が声を荒らげる、繰り返し笑いものにする、こちらが強い怖さを感じるなど、二人だけで話すことに不安がある場合は、一対一で伝えることにこだわらないでください。頼れる人に同席してもらう、連絡方法や会う時間を調整するなど、自分の負担を増やさない方法を優先します。

また、気持ちを整理することは、相手を許すことと同じではありません。納得できないまま「家族だから」と許そうとすると、自分の傷つきを置き去りにしてしまう場合があります。

まずは、「私はあの言葉で傷ついた」「次は同じ話題に答えない」と決めるところで止めてもよいのです。

思い出すつらさが続き、生活に影響しているときは

今回の4つの手順は、親や親戚に言われた言葉を整理するための一般的な方法です。書いたからといって気持ちが落ち着くとは限らず、医療やカウンセリングの代わりになるものでもありません。

国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」では、こころや体の不調が続いたり、日常生活に支障が出たりしている場合は、専門機関への相談を勧めています。

  • 言葉を思い出して眠れない状態が続く
  • 食事や仕事、家事へ影響が出ている
  • 気分の落ち込みや不安が続いている
  • 過去の出来事も次々と思い出し、一人では整理しきれない

このようなときは、かかりつけ医、精神科・心療内科、保健所、精神保健福祉センターなどへ相談する選択肢があります。

どこへ相談すればよいか迷う場合は、自治体の相談窓口へ問い合わせる方法もあります。

最後に

親や親戚の一言が頭から離れないとき、その言葉を急いで忘れたり、相手の真意を好意的に解釈したりする必要はありません。

言われた言葉、受け取った意味と気持ち、今確認できる事実・選択肢、次に選ぶ行動。この4つを分けることで、相手の言葉を自分への最終評価にせず、これからの対応を考えやすくなります。

全部埋めようとしなくていいなら、少し気が楽です。
まずは、「言われた言葉」と「自分が受け取った意味」まで書いてみます。

そら
そら

最初から4項目すべてを書かなくてもいいんです。
書くのがつらい日は、メモを閉じて休むことも選択肢にしてくださいね🍀

もし、親や親戚から言われて今も残っている言葉や、今後記事で扱ってほしいテーマがあれば、この下の「お便りポスト」から聞かせてください。

個別のご相談や返信をお約束するものではありませんが、今後の記事づくりの参考として、大切に読ませていただきます。

参考資料


匿名で送れる『お便りポスト』は、このすぐ下にあります ↓

【お便りを送る前にお読みください🍀】

このフォームは、悩みや気持ちをお寄せいただくためのもので、個別相談・カウンセリング・緊急対応を行う窓口ではありません。管理人がすぐに内容を確認できるとは限らず、すべてのお便りへの回答や個別の返信もお約束していません。

届いたお便りは、個人が特定されないよう配慮したうえで、当ブログの記事として回答・公開させていただくことがあります。

命の危険がある場合や、今すぐ自分または周囲の人を傷つけてしまうおそれがある場合は、このフォームへの送信を待たず、119(救急)または110(警察)へ連絡してください。

つらさが強く、すぐに誰かと話したい場合は、厚生労働省「まもろうよ こころ」に掲載されている電話・SNSの相談窓口をご利用ください。

※ 送信ボタンを押すと、上記の内容に同意したものとなります。

    お悩みへのお返事
    そらをフォローする
    タイトルとURLをコピーしました