職場の人のにおいが耐えられないときは?——原因を決めつけない対策と相談のしかた

窓から光が入る静かなオフィスの机 お悩みへのお返事

こんにちは、管理人の『そら』です。

席に着くと、近くから強いにおいを感じる。仕事に集中したいのに毎日同じ時間になると気になり、「私が気にしすぎなのかな」と自分を責めていませんか。

香りの強い製品、食べ物、たばこ、空調、ごみ箱、近くにいる人など、においの発生源は一つとは限りません。本人に伝えるか迷うときは、まず日時・場所・仕事上の支障を整理し、席や換気の調整について上司や総務へ相談する方法があります。

ただし、急に発生した強い異臭や、薬品・設備が関係している可能性があるにおいは別です。体調に変化があるときも、この記事の会話例を試す前にその場を離れ、職場の責任者へ知らせてください。

隣の席にいると、においが気になって仕事に集中できません。
でも、本人を傷つけたり、私が悪者になったりするのも怖いです……。

そら
そら

においは、伝え方が難しい問題ですよね。
最初は「この席で、どの作業に困っているか」から話すと、相談のきっかけをつくれます。

職場の人のにおいが耐えられないとき、最初に分けたいこと

最初から「○○さんが原因」と決めると、別の発生源を見落としたり、相談が人への非難として受け取られたりすることがあります。まずは、今の状況を次のように分けてみてください。

今の状況最初にすること相談の方向
急に強い異臭がした、薬品や設備が関係していそう安全に動ける範囲でその場を離れ、すぐ責任者へ知らせる安全衛生の問題として確認してもらう
同じ時間・場所で繰り返し感じるが、発生源は分からない時間・場所・仕事上の支障をメモする換気、清掃、設備、ごみ箱などを確認してもらう
近くの人がいるときに強く感じる本人の体質や衛生状態を決めつけない上司や総務へ、席や動線を含めて相談する
芳香剤など、特定の製品が原因だと確認できる職場のルールと相手との関係を確認する安全に話せるなら個別に依頼し、難しければ上司へ相談する

相談するときは、自分が実際に確認した場面を伝えます。病名や体質、衛生状態を推測して話すのは避けましょう。

一行で書く「相談のもと」

スマホや紙に、次の3点を一行で書きます。

日時・場所・仕事上の支障

例:午後2時ごろ・窓側の席周辺・においが強く、資料の確認に集中しづらかった

急な異臭や体調の変化があるときは、メモよりも退避と報告を優先してください。

今日からできる、負担を減らす3つの対策

可能なら、その場から短く離れる

職場で認められている範囲で、短い休憩を取ったり、使える別の席へ移ったりして、においから距離を置く方法があります。

受付や電話当番で席を離れにくい場合は、上司へ「今の席では作業に集中しづらいので、少しの間、交代をお願いできますか」と相談します。繰り返し離席が必要になるなら、その都度やり過ごすだけでなく、席の変更なども話し合いましょう。

窓や空調、換気設備は、職場によって操作のルールが異なります。自分だけで設備を動かさず、管理している人へ確認してください。

別の香りで上書きしない

香りのある消臭剤や香水を重ねると、もとのにおいに新しい香りが加わります。周囲にも好みや感じ方があるため、職場の許可を確認せずに香りのある製品を使うのは避けた方が無難です。

まずは距離、席、換気や清掃の確認など、香りを増やさない方法から選びます。

困った場面を短く記録する

日時・場所・仕事上の支障を記録しておくと、上司へ状況を説明するときに使えます。余裕があれば、においを感じた時間の長さや、席を移った後の様子も添えます。分からないことは、分からないまま残してください。

避けたい書き方相談に使いやすい書き方
○○さんはいつも臭い○曜日の午後、○○席の周辺で強いにおいを感じた
不潔だと思う発生源は確認できていない

「もう限界です」と、つらさをそのまま伝えても構いません。可能なら「席を離れるたびに作業が中断する」など、実際に困っていることも添えます。例文の時間や出来事は、自分の状況に合わせて変えてください。

音や話し声も気になって集中しづらい場合は、職場がうるさくて集中できないときの工夫も参考にしてください。

上司や総務へは「事実・支障・希望」の順で相談する

相談は、確認した事実→仕事上の支障→希望する調整の順にすると、個人への悪口と分けやすくなります。「何とかしてください」だけで終わらせず、席、換気、清掃、設備確認など、検討してほしいことを一つ添えます。

発生源が分からないときの例文

午後2時ごろ、窓側の席周辺で強いにおいを感じ、資料の確認に集中しづらい日があります。原因は分からないため、換気設備やごみ箱などを確認していただけますか。

近くの人が関係しているように感じるときの例文

席のことで相談があります。隣の席からにおいを強く感じ、作業に集中しづらいことがあります。本人には言いづらいので、まずは席を変えられないか相談したいです。

体調の変化があれば、その症状も伝えてください。症状がなくても、集中しづらさや離席による作業の中断を相談できます。

上司から「誰のこと?」と聞かれたら、名前を言った私が責められそうで不安です。

そら
そら

名前を伝える前に、「本人にはどのように話す予定ですか」と確認できます。
相談したことが広まる不安も、一緒に伝えておきたいですね。

対応のために相手の名前が必要になった場合は、担当者へ個別に伝え、体質やにおいの原因は断定しないようにします。相談内容の共有先や、本人に伝える内容も確認しておきましょう。ただし、状況から相談者が推測される可能性はあります。

相談を切り出しにくいときは、「5分だけ状況を聞いてほしい」「相談先を教えてほしい」と、最初のお願いを小さくできます。人に頼るのが苦手なときの4つの手順も、話す内容の整理に使えます。

においが気になる本人へ、直接伝えてもよい?

体や衣服から感じるにおいについて本人へ伝えることは、その人の尊厳に関わるデリケートな問題です。原因が確かでないとき、上下関係があるとき、相手の反応が怖いときは、一人で直接伝えず、上司や総務を通してください。

直接話す余地があるのは、たとえば「机に置いた芳香剤」のように原因が明確で、相手と落ち着いて話せる関係の場合です。周囲に聞こえないところで、製品と自分の困りごとに話を絞ります。

すみません、この芳香剤の香りが強く感じられて、仕事に集中しづらくて……。使うのを控えてもらえると助かります。

「臭い」「不潔」「病気では」といった言葉を本人へぶつけたり、においを指摘する匿名のメモを置いたり、周囲へうわさを広げたりするのは避けます。相手を傷つけるだけでなく、職場での対立が大きくなり、環境調整の話から離れてしまうためです。

突然の異臭や薬品・設備の可能性があるとき

突然の強い異臭、薬品を扱う作業中のにおい、設備の異常と同時に発生したにおいは、「人のにおい」の問題として扱わないでください。

厚生労働省は、化学物質には爆発・引火や健康への悪影響といったリスクがあると説明しています。化学物質のリスクアセスメント実施支援

化学製品のSDS(安全データシート)は、危険性や取扱方法、吸い込んだり触れたりした際の応急措置などを確認するための文書です。においだけで物質や危険性を判断せず、職場の責任者や安全衛生の担当者へ知らせてください。

異臭が急に発生したとき

  1. 安全に動ける範囲で、その場から離れる
  2. 上司や安全衛生の担当者へ、場所と状況をすぐ伝える
  3. 指示なく発生源へ近づいたり、設備を操作したりしない
  4. 職場の緊急時の手順に従う

体調の変化も責任者へ伝え、医療機関へ相談してください。救急対応が必要な状態では、職場内の連絡や承認を待たず、119番へ連絡します。救急車の呼び方は、消防庁の救急車利用マニュアルでも確認できます。

相談しても変わらない、からかわれるとき

一度相談しても状況が変わらないときは、「前回いつ、誰に相談したか」「何を確認すると言われたか」「その後も何が続いているか」を整理します。そのうえで、上司の上席、総務・人事、安全衛生の担当者、産業保健スタッフ、労働組合など、職場にある別の窓口へ相談します。

日常的なにおいでも、体調不良が続く、悪化する、生活に支障が出るときは、職場の産業医・保健師や医療機関へ相談してください。においが原因だと決めつけず、いつ、どんな症状が出るかを伝えます。

相談したことを周囲に言いふらされた、からかわれた、不利益な扱いを受けたと感じる場合は、日時、相手、言われたことや起きたことを記録してください。

ハラスメントや法令違反に当たるか、自分で結論を出してから相談する必要はありません。厚生労働省の総合労働相談コーナーでは、いじめ・嫌がらせ、パワーハラスメントなど幅広い労働問題について、無料・予約不要で、面談または電話による相談を受け付けています。窓口ごとに開庁時間が異なり、事前連絡を勧めている場合もあるため、利用前にリンク先の案内を確認してください。

最後に

「本人には言いにくい」と感じたら、まず上司や総務へ、席や換気の相談から始められます。日時・場所・仕事上の支障に、「席を変えて作業したい」などの希望を一つ添えてください。

記録がそろうまで相談を待つ必要はありません。今分かる範囲で、困っている状況を伝えましょう。急な異臭や体調の変化があるときは、退避と報告を優先してください。

職場では言いにくかった気持ちを文章にしたくなったら、会社名や個人名を伏せて、匿名で送れるお便りポストへお寄せください。個別のお返事はお約束していませんが、届いたお便りは大切に読ませていただきます。

参考資料


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届いたお便りは、個人が特定されないよう配慮したうえで、当ブログの記事として回答・公開させていただくことがあります。

命の危険がある場合や、今すぐ自分または周囲の人を傷つけてしまうおそれがある場合は、このフォームへの送信を待たず、119(救急)または110(警察)へ連絡してください。

つらさが強く、すぐに誰かと話したい場合は、厚生労働省「まもろうよ こころ」に掲載されている電話・SNSの相談窓口をご利用ください。

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