こんにちは、管理人の『そら』です。
今回は、「8月が終わるだけなのに、なぜか寂しい」「今年の夏も何もしないまま終わってしまう気がする」というお悩みについてお答えします。
まだ暑い日は続いているのに、カレンダーを見ると8月は残りわずかです。
夏の予定が終わり、店先やSNSで秋の話題が増えてくると、楽しかったことよりも、できなかったことばかり思い出す夜があるかもしれません。

夏が終わると思うと、急に寂しくなります。
特別な思い出があるわけでもないのに、取り残されるような感じがして……。

理由を無理に一つへ絞らなくてもよいのです。
まずは「何が終わるのを惜しんでいるのか」と「何が心残りなのか」を分けてみましょう。
夏の終わりの寂しさを、急いで明るい気持ちへ変えなくても大丈夫ですよ。
何を惜しんでいるのか。何が心残りなのか。これから何が気がかりなのか。三つに分けると、今の自分に合う過ごし方を選びやすくなります。
夏の終わりが寂しいとき、気持ちを急いで切り替えなくていい
同じ「寂しい」でも、その中身は人によって異なります。
たとえば、次のような気持ちが重なっているかもしれません。
- 楽しかった時間や、夏らしい雰囲気が終わるのを惜しんでいる
- 行きたかった場所や、会いたかった人を思い出している
- 9月から忙しくなることや、普段の生活へ戻ることが気がかりになっている
楽しかった時間を惜しんでいるなら、思い出を一つ残す方法があります。
できなかったことが心残りなら、今からできる大きさへ縮めることもできます。
9月からの日常が気がかりなら、夏を振り返るより、これからの負担を一つ減らすほうが合う場合もあります。
「寂しくならない方法」を探す前に、今の気持ちがどれに近いかを確かめるところから始めてみましょう。
楽しい思い出を懐かしむ一方で、寂しくなることもある
夏の出来事を思い返したとき、楽しかった記憶なのに胸が少し苦しくなることがあります。
日本教育心理学会の『教育心理学研究』に掲載された2019年の論文では、ノスタルジアを「個人の過去に対する感傷的な思慕」と定義しています。
さらに、過去への思慕と、その過去がすでに失われたことへの悲しみが入り交じる複雑な感情だと説明しています。
実験には大学生50名が参加しました。
そのうち、欠測などのあった6名を除く44名が分析対象となりました。
参加者は、ノスタルジックな出来事を思い出すグループと、日常のありふれた出来事を思い出すグループへ無作為に分けられました。
分析の結果、ノスタルジアを思い出したグループでは、未来と現在への肯定的な態度が高くなっていました。
また、未来・現在・過去への否定的な態度は低い結果でした。
過去への肯定的な態度も同グループのほうが高かったものの、統計的な有意差には届いていません。
【外部リンク:日本教育心理学会「ノスタルジアが時間的態度に与える影響」】
ただし、この研究は、夏の終わりの寂しさを調べたものではありません。
分析対象は大学生44名で、実験室における一時的な結果です。
測定したのも、時間的展望の一側面である「時間的態度」に限られます。
論文でも、長期的な効果や、青年期以外の人に同じ結果が当てはまるかについては、今後の検討が必要だとされています。
そのため、「夏を振り返れば前向きになれる」とは言い切れません。
それでも、過去を懐かしむときには、温かさと悲しさが同時に現れる場合もあります。
相反するように見える気持ちを、無理にどちらか一方へ決めなくてもよいのです。
8月の終わりを穏やかに過ごす4つの工夫
「何が終わるのが寂しい?」を一言で書く
今夜、寂しさを感じたときは、スマートフォンのメモを開いてみてください。
そして、次の一文を埋めてみましょう。
「夏が終わるのが寂しいのは、____が終わる気がするから」
答えは短い言葉でかまいません。
- 日が長い時期
- 夏休みのような開放感
- 家族と過ごした時間
- 花火や祭りを楽しみにする気持ち
- 何かが起こりそうだと感じていた時間
言葉が浮かばないときは、「人・場所・予定・時間・雰囲気」の中から、一番近いものを選ぶ方法もあります。
気持ちの対象が見えてくると、自分に合う過ごし方を考えやすくなります。
思い出を残したいのか、心残りを小さくしたいのか、これからの予定を整えたいのかを分けてみましょう。
「できなかったこと」と「すでにあったこと」を分ける
夏の終わりには、できなかったことが目につく場合があります。
「海へ行かなかった」「花火を見なかった」「友人と会えなかった」などです。
そんなときは、今年の夏を「充実していた・何もなかった」の二択で評価せず、二つの欄に分けます。
できなかったこと
- 行きたかった場所へ行けなかった
- 誰かと予定を合わせられなかった
すでにあったこと
- 家でゆっくり過ごした日があった
- 好きな飲み物や食べ物を楽しんだ
- 暑い日の用事を一つ終えた
- 誰かと短い会話をした
「すでにあったこと」は、夏らしい大きな出来事でなくてもかまいません。
事実としてあった時間を並べることが目的です。

旅行も花火も行けなかったので、「今年の夏は何もなかった」と思っていました。

行けなかったことへの心残りは、残ったままでもよいのです。
そのうえで、実際に過ごした時間まで「何もなかった」にまとめず、別々に置いてみましょう。
予定が少なかったことへの焦りや、周りと比べて取り残された感覚が大きい方は、こちらの記事も参考にしてください。

夏の楽しみを一つだけ9月へ持ち越す
8月が終わっても、好きだった過ごし方は9月へ残せます。
たとえば、次のようなものがあります。
- 夏によく聴いた曲を、来週も一度聴く
- 気に入った写真を一枚だけ選んで残す
- 夜に好きな飲み物を飲む時間を続ける
- 今年行けなかった場所を「いつか行きたい場所」としてメモする
今夜、時間があるときに、「9月にも残したいもの」を一つだけ考えてみましょう。
選ぶこと自体が負担なら、今日は保留にしてもよいでしょう。
写真を削除せずに残しておく、曲をお気に入りへ入れておくなど、あとで選べる状態にしておく方法もあります。
9月に置く予定は、一つだけにする
寂しさを埋めるために9月の予定を急いで増やすと、予定をこなす負担が大きくなる場合があります。
まずは、日時・場所・することを一つだけ組み合わせます。
たとえば、「9月最初の休日の夕食後に、自宅で10分だけ秋にしたいことを考える」のような予定です。
ほかにも、次のような小さな予定があります。
- 来週の帰宅後に、秋に食べたいものを一つメモする
- 9月の休日に、読みたかった本を10分だけ開く
- 過ごしやすい日を選び、近所を短時間歩く
暑さや体調によって難しい日は、外へ出ない予定でもよいでしょう。
日付を決めることが重く感じるなら、「過ごしやすい日が来たら」と条件だけ決める方法もあります。
これは、秋を充実させるための計画ではありません。
8月の先にも時間が続いていることを確かめるための目印です。

夏をちゃんと終わらせなきゃと思っていました。
少し残したまま9月に進んでもいいと思うと、気が楽になります。

そうですね。
夏をきれいに閉じるより、好きだったものを少し持ち越すほうが合う日もあります。
9月には、小さな楽しみを一つ置いておきましょう。
夏の終わりより、これからの日常がつらい場合
夏を惜しむ気持ちよりも、「仕事がまた忙しくなる」「休み明けの生活へ戻りたくない」という気持ちのほうが大きい場合もあります。
そのときは、思い出を整理するより、明日の最初の行動や、帰宅後に休む時間を決めるほうが役立つかもしれません。
休み明けの仕事が重く感じられる方は、こちらの記事で、初日の負担を分ける方法を紹介しています。

気分の落ち込みが続き、生活に影響しているときは
夏の終わりだけの寂しさだと思っていても、気分の落ち込みが続く場合があります。
以前より強くなる、眠れない、食べられない、仕事や家事が手につかないなど、日常生活に影響が出ることもあります。
そのような場合は、この記事の工夫だけで抱え続けないでください。
このような状態だけで、病気かどうかを自分で判断する必要はありません。
身近な人、医療機関、地域の相談窓口などへ、今起きていることをそのまま伝える選択肢があります。
厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、電話やSNSなど、希望する相談方法から窓口を探せます。
最後に
夏の終わりに寂しさを感じたら、気持ちを急いで消そうとする前に、「何が終わるのを惜しんでいるのか」を一言だけ書き出してみましょう。
できなかったことと、実際にあった時間を分ける。
残したい夏の楽しみを一つ選ぶ。
9月に置く予定を一つだけ決める。
全部に取り組まなくてもよいのです。
今夜できそうなものがあれば、一つ選んでください。
難しい日は、何も決めずに休みましょう。
夏の終わりに感じたことや、今後記事で取り上げてほしいお悩みがありましたら、ページ下の「お便りポスト」からお寄せください。
個別相談や即時対応はできません。
個人が特定されないよう配慮したうえで、今後の記事づくりの参考にさせていただくことがあります📮
参考資料
- 「ノスタルジアが時間的態度に与える影響―本来性を媒介要因として―」/長峯聖人・外山美樹/日本教育心理学会/2019年(2026年8月24日確認)
- 「まもろうよ こころ」/厚生労働省(2026年8月24日確認)

