こんにちは、管理人の『そら』です。
今回は、「悪いことをしたわけではないのに、つい『すみません』と言ってしまう」「会話のあとで、必要以上にへりくだっていた気がして疲れる」というお悩みについてお答えします。
仕事を教えてもらうときに、「何度もすみません」。
誰かに手伝ってもらったときも、「わざわざすみません」。
誘いを断るときには、「本当にすみません」と何度も謝り、家に帰ってからも「感じが悪くなかったかな」と考えてしまうことはないでしょうか。

質問したいだけなのに、最初に「すみません」と言わないと落ち着きません。
相手に迷惑をかけているような気がしてしまうんです。

「すみません」は、相手への気遣いを伝えやすい言葉です。
ただ、質問や感謝、依頼まで謝罪の形にしなくても、丁寧さは保てますよ。
「すみません」をすべてやめる必要はありません
最初にお伝えしたいのは、謝ること自体が悪いわけではないということです。
約束の時間に遅れた、相手の物を壊した、伝えるべきことを伝え忘れたなど、自分の行動によって相手へ迷惑をかけたときには、きちんと謝罪する必要があります。
一方、質問する、お願いする、誘いを断る、助けてもらうといった場面では、必ずしも謝罪は必要ありません。
- 自分の行動で迷惑をかけたとき:謝る
- 教えてもらった、助けてもらったとき:感謝する
- 相手に何かを頼みたいとき:希望を具体的に伝える
- 分からないことがあるとき:確認したい内容を伝える
- 誘いや依頼を断るとき:できないことを簡潔に伝える
厚生労働省の「こころの耳」では、アサーションについて、相手の気持ちや考えを尊重しながら、自分の気持ちや考えも、その場に適した表現で伝えるコミュニケーション方法と説明しています。
また、厚生労働省の「あかるい職場応援団」では、受身型のコミュニケーションについて、意見を述べるときの例として「よく謝る」「まわりくどく言う」、口ぐせとして「すみません」が挙げられています。
相互尊重型では、意見を述べるときの例として「明確なメッセージ」、口ぐせとして「ありがとう」「私は~したい」が示されています。
自分の希望を伝えることは、相手の希望を無視することではありません。
相手が答えやすいように内容を具体的にしながら、謝罪以外の言葉を選ぶこともできます。
なぜ悪くない場面でも謝ってしまうのでしょうか
すぐ謝ってしまう背景は、人によって異なります。
「話しかけて相手の邪魔をしたくない」「嫌な顔をされたくない」「丁寧な人だと思われたい」といった気持ちが重なっている人もいるでしょう。
また、「すみません」と言えば会話を始めやすいため、深く考えずに使う習慣になっている場合もあります。
たとえば、職場で分からないことがあっても、
「こんなことを聞いたら、仕事ができないと思われるかもしれない」
と心配になり、質問したい内容よりも、相手の反応が気になってしまうことがあります。

「すみません」と言っておけば、相手を不快にさせずに済む気がします。
でも、何度も謝っていると、自分がいつも迷惑をかけている人のように感じてしまって……。

口癖を一度に変える必要はありません。
まずは一日に一度、別の言葉を試してみましょう。
なぜ謝ってしまうのかを、すぐに突き止める必要もありません。
先に言葉を一つ変えてみることで、「ここは謝らなくても、きちんと伝わった」と気づける場面があります。
「すみません」を減らす4つの言い換え
質問するときは「確認させてください」
仕事中に質問するとき、次のように話しかけていないでしょうか。
「忙しいところ、何度もすみません。少し聞いてもいいですか?」
相手が忙しそうな場面では、申し訳なさを長く説明するよりも、質問に必要な時間や内容を伝えたほうが、相手も判断しやすくなります。
「○○について、一点確認させてください」
「今、2~3分お時間よろしいでしょうか」
「今日中に確認したいことがあります。手が空いたときに声をかけてもらえますか」
質問の前に「確認させてください」と伝えれば、何をしたいのかが分かります。
すぐに答えてもらう必要がない場合は、「手が空いたときに」と添えることで、相手の都合にも配慮できます。
お願いするときは「お願いできますか」
依頼をするときも、「すみません」を何度も重ねると、肝心のお願いが分かりにくくなる場合があります。
「本当に申し訳ないのですが、できればお願いしたくて……」
と遠回りに話すより、相手にしてほしいことと期限を具体的に伝えてみましょう。
「この資料を、明日の午前中までに確認してもらえますか」
「帰りに牛乳を買ってきてもらえると助かります」
「今週は難しいので、来週お願いできますか」
厚生労働省の「あかるい職場応援団」でも、仕事を依頼するときは、何のために、いつまでに、何をしてほしいのかを明確にする例が紹介されています。
お願いしたからといって、相手が必ず引き受けなければならないわけではありません。
依頼する側が内容を明確にし、相手が「できる」「難しい」と答えられる余地を残すことも、相手への配慮になります。
断るときは「今回は難しいです」
誘いや頼まれごとを断る場面では、「断ったら嫌われるかもしれない」という心配から、謝罪が長くなることがあります。
けれど、謝り続けても、断るという結論は変わりません。
「誘ってくれてありがとう。今回は参加できません」
「声をかけてもらえてうれしいです。ただ、今週は難しいです」
「今日は対応できないので、別の日でもいいですか」
理由を細かく説明できないときは、「予定があります」「今週は難しいです」と短く伝える方法もあります。
一度断ったあとに説明を重ねすぎると、断るという結論が分かりにくくなり、相手も返事に迷うことがあります。
返事を求められた瞬間に判断できないときは、まず「予定を確認してから返事をします」と保留してもよいでしょう。

助けてもらったときは「ありがとうございます」
荷物を持ってもらったとき、仕事を教えてもらったとき、家族が家事を代わってくれたとき。
「すみません」だけで終えるより、感謝を伝えたほうが、自分がうれしかったことも相手へ伝わりやすくなります。
「手伝ってくれて、ありがとうございます」
「教えてもらえて助かりました」
「時間を取ってくれて、ありがとうございます」
すでに「すみません」と言ってしまったあとでも、言い直せます。
「すみません……ではなくて、ありがとうございます」
この一言なら、普段の会話にも取り入れやすいのではないでしょうか。
実際に迷惑をかけた場面では、謝罪と感謝の両方を伝える方法もあります。
「連絡が遅くなり、申し訳ありません。待っていただき、ありがとうございます」
謝るべきことと、感謝していることを分けて伝えると、何に対する言葉なのかが相手にも分かりやすくなります。
迷ったときは、10秒だけ立ち止まってみる
「すみません」と言いそうになったときは、心の中で次のように問いかけてみてください。
私は今、何について謝ろうとしている?
具体的な失敗や迷惑が思い浮かぶなら、謝罪の言葉を伝えます。
思い浮かばなければ、今伝えたいことが「感謝」「質問」「お願い」「断り」のどれなのかを考えてみましょう。
- 感謝なら「ありがとうございます」
- 質問なら「確認させてください」
- お願いなら「お願いできますか」
- 断りなら「今回は難しいです」
最初から、すべての「すみません」を言い換える必要はありません。
今日は一度だけ、「すみません」を「ありがとうございます」に変えることを目安にしてみてください。
会話のあとに「失礼だったかもしれない」「嫌われたかもしれない」と考え続けてしまうときは、相手に起きた事実と、自分の想像を分けてみる方法もあります。

謝ることを求められ続ける関係では、言い換えだけで解決しないこともあります
丁寧に確認したり、自分の事情を説明したりしても、相手から強く責められる。
小さな失敗を何度も持ち出され、いつも自分だけが謝罪を求められる。
そのような状況では、「すみません」を別の言葉に変えるだけで、負担が軽くなるとは限りません。
職場であれば、信頼できる上司、人事担当者、社内の相談窓口などへ状況を伝えることも選択肢の一つです。
会社に相談窓口がない、社内では相談しにくいという場合は、厚生労働省「あかるい職場応援団」の相談窓口案内から、総合労働相談コーナーなどの外部相談先を確認できます。
【外部リンク:厚生労働省「あかるい職場応援団」相談窓口のご案内】
家庭やそのほかの人間関係で困っている場合も、一人で言い方を工夫し続ける必要はありません。
言葉を選んでも強く責められる状態が続くときは、信頼できる人へ状況を話し、自分だけで抱え込まないようにしてください。
最後に
「すみません」が先に出る人の中には、相手を不快にさせたくないという気持ちがある人もいるでしょう。
その気遣いを残しながら、謝罪以外の言葉を選ぶことはできます。
謝る必要がある場面では謝り、感謝する場面では「ありがとう」と伝える。
まずは今日一度だけ、誰かに助けてもらったときの「すみません」を、「ありがとうございます」に言い換えてみてください。
言い直しても構いません。うまく変えられなかった日は、また別の会話で試せます。

「すみません」と言ってしまったあとでも、「ありがとうございます」と付け足せばいいんですね。
それなら、少しずつ試せそうです。

はい。一度にすべて変えようとせず、伝えたい内容に合う言葉を一つ選んでみてくださいね。
もし、「本当は謝りたくなかったのに、また謝ってしまった」「あの場面では、何と言えばよかったのだろう」という気持ちが残っていたら、この下の『お便りポスト』へ置いていってください。
個別の相談やすぐのお返事をお約束するものではありませんが、個人が特定されないよう配慮したうえで、今後の記事づくりの参考にさせていただくことがあります📮
参考資料
- 「アサーション:用語解説」/厚生労働省「こころの耳」/(2026年8月6日確認)
- 「【1】相互尊重|言い方ひとつで変わる会話術」/厚生労働省「あかるい職場応援団」/(2026年8月6日確認)
- 「【2】WinWin発想|言い方ひとつで変わる会話術」/厚生労働省「あかるい職場応援団」/(2026年8月6日確認)
- 「相談窓口のご案内」/厚生労働省「あかるい職場応援団」/(2026年8月6日確認)

