こんにちは、管理人の『そら』です。
今回は、「暑い日は、いつもなら気にならないことにもイライラする」「家族や職場の人へきつく言ってしまい、あとから自己嫌悪になる」という、夏の心の疲れについてお答えします。
朝から強い日差しが照りつけ、外へ出るだけで汗が止まらない。電車や職場では冷房との温度差に疲れ、帰宅してからも部屋の暑さや家事に追われて、ほんの小さな一言に心がざわついてしまう——。
そんな自分を見て、「私って、こんなに怒りっぽかったかな」「性格が悪くなったのかも」と責めてしまうことはありませんか?

暑い日は、家族の何気ない一言にもイライラしてしまうんです。
あとから「言い方がきつかったな」と反省して、自分が嫌になります……。

暑さが続く日は、気持ちの問題に見えても、先に体の余裕が削られていることがあります。
「性格が悪くなった」と決めつけず、まずは「今、暑さで余裕が少なくなっているのかも」と考えてみましょう🍀
暑さは、体だけでなく心にも負担になります📊
厚生労働省の「こころの耳」では、暑さや寒さ、騒音や混雑などを、心や体に影響を及ぼす「物理的ストレッサー」の例として挙げています。また、心理面のストレス反応として、イライラや不安、活気の低下などが現れることも示されています。
もちろん、暑い日に誰もがイライラするわけではありません。ただ、暑さも心の余裕を減らす要因の一つになり得ると知っておくだけで、「全部、自分の性格のせいだ」と決めつけずに済むことがあります。
消防庁が2025年10月29日に公表した「令和7年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」によると、熱中症による全国の救急搬送人員は累計10万510人でした。これは、調査を開始した2008年以降で最も多い人数です。
発生場所は「住居」が38.1%で最も多くなっていました。これは「暑さでイライラした人」の人数を示す調査ではありませんが、自宅で普段どおりに過ごしているときにも、暑さによる健康被害が起こり得ることを示しています。
暑い日にイライラしたからといって、それだけで「性格が悪い」と決めつける必要はありません。
今は、反省を重ねる前に、暑さから離れて心と体を休ませる時間が必要なのかもしれません。
暑い日に余裕を失いやすくなる、3つの負担
暑さに対応するため、体が働き続けている
暑い環境では、体は汗をかき、皮膚から熱を逃がしながら、体温が上がりすぎないように働き続けます。環境省の「熱中症環境保健マニュアル」でも、暑い環境では体温を保つために、体が熱を外へ逃がそうとする仕組みが説明されています。
その状態で、仕事や家事、人とのやり取りまで普段どおりにこなそうとすれば、いつもより負担を感じることもあります。音や待ち時間、相手の一言など、普段なら受け流せることが気になってしまう日があっても不思議ではありません。
水分不足と休憩不足が重なりやすい
忙しい日は、のどの渇きや体のだるさに気づいても、「これが終わってから」と後回しにしてしまいがちです。室内にいると「外ではないから大丈夫」と考え、水分補給や休憩を忘れてしまうこともあります。
体がつらいままでは、気持ちだけを落ち着かせようとしても難しいものです。イライラを感じたときは、相手や出来事について考える前に、「暑くないか」「のどが渇いていないか」「休憩できているか」を確かめてみましょう。
寝苦しさで、翌日の余裕が減っている
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠不足は日中の眠気や疲労だけでなく、情動の不安定さや、注意力・判断力の低下にも関連するとされています。
寝苦しい夜が続いた翌日にイライラしやすいと感じるなら、その日の出来事だけでなく、前の晩にどれくらい休めたかも振り返ってみてください。
暑さで眠りにくい夜が続いている方は、寝室の整え方や眠れないときの過ごし方をまとめた、こちらの記事もあわせてご覧ください。


暑さだけでなく、眠れていないことも重なっていたんですね。
それなのに、「もっと穏やかにできない私が悪い」と責めていました……。

あとから言い方を気にしているのは、相手を大切にしたい気持ちが残っているからです。
ただ、反省は体を休ませてからでも遅くありません。
まずは、暑さで減ってしまった余裕を少し取り戻していきましょう🌱
今日からできる、猛暑の日に心を守る4つの工夫🍀
まず10秒、「暑さで余裕が少ない」と言葉にする
イライラした瞬間は、頭の中が「相手が悪い」「こんなことで怒る私はだめだ」と、どちらか一方へ傾きやすくなります。そんなときは、すぐに結論を出さず、今の状態へ短い名前をつけてみましょう。
今すぐできる、10秒のミニアクション
- 肩を少し下げる
- 口からゆっくり息を吐く
- 心の中で「今は暑さで、余裕が少ない」と言う
これだけで、怒りがすぐに消えるとは限りません。それでも、「私は嫌な人だ」という自分への攻撃から、「今は休息が必要かもしれない」という気づきへ、視点を少し移しやすくなります。
気持ちの結論より先に、涼しい場所へ移る
暑い場所で考え続けるよりも、まずはエアコンの効いた室内や、風通しのよい日陰へ移りましょう。環境省も、暑い時期には空調を適切に使って涼しい環境で過ごし、冷たいタオルなどで体を冷やすよう勧めています。
相手へ返信する、注意する、大切な話をするといった判断は、体が少し落ち着いてからでも構いません。
「今すぐ言わなければ」ではなく、「涼しくなってから伝える」と決めることも、関係を守るための立派な工夫です。
のどが渇く前に、水分と休憩を入れる
「疲れてから休む」のではなく、作業の区切りごとに水分と短い休憩を入れてみましょう。「メールを3件返したら飲む」「洗濯物を干したら座る」など、いつもの行動と組み合わせると忘れにくくなります。
汗を多くかいたときは、水分に加えて、塩分を含む飲み物などで補うことも大切です。ただし、医師から水分や塩分の制限を指示されている方は、その指示を優先してください。
今日の合格点を、一段だけ下げる
猛暑の日まで、涼しい季節と同じ量をこなそうとしなくても大丈夫です。「夕食は簡単なものでよし」「掃除は目につく場所だけ」「急がない返信は明日」と、今日の負担を一つ減らしてみましょう。
国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」でも、ストレスに気づいたら早めに休息や気分転換を取り、日頃の生活習慣を整えることが紹介されています。
頑張る量を減らすことは、怠けではありません。厳しい暑さを安全に乗り切るための調整です。

まず10秒だけ止まって、涼しい場所へ移るなら、私にもできそうです。
今日は夕食も簡単にして、少し早めに休んでみます。

いいと思います😊
涼しい場所へ移る、水を飲む、夕食を簡単にする。
全部ではなく、そのとき必要なものを一つ選べたら、それも立派な暑さ対策です。
イライラだけでなく、体調の変化があるときは
暑い場所にいたあと、めまい、頭痛、吐き気、強いだるさ、こむら返りなどがある場合は、単なるイライラや疲れと決めつけず、熱中症の可能性を考えることが大切です。
まずは涼しい場所へ移り、衣服をゆるめ、首や脇の下、足の付け根などを冷やしてください。意識がはっきりしていて、自分で飲める状態であれば、水分と塩分を補いましょう。
吐き気がある、自分で水分を飲めない、呼びかけへの反応がおかしい場合は、無理に飲ませないでください。
会話ができない、呼びかけに反応しない場合は、ためらわず、すぐに救急車を呼んでください。
自分で水分をとれない場合や、応急処置をしても症状が改善しない場合も、すぐに医療機関を受診してください。自分で移動できないなど、緊急性を感じるときは救急車を要請しましょう。
また、涼しい環境で休んでもイライラや気分の落ち込みが長く続き、仕事や家事、人間関係に大きく影響している場合は、暑さ以外の要因が重なっていることもあります。
一人で抱え込まず、かかりつけ医や心療内科、精神科などへ相談することも選択肢です。
最後に
暑い日に余裕をなくしてしまったからといって、その日のイライラだけが、あなたのすべてではありません。体が暑さに耐え続け、休息が必要になっている可能性もあります。
もし言い方がきつくなってしまったら、落ち着いてから短く謝り、次は涼しい場所へ移ってから話す。その順番で構いません。
まずは涼しい場所へ移る、水分をとる、10秒だけ待つ。その小さな順番が、猛暑の日の自分と、大切な人との関係を守る助けになります。
猛暑の日まで、涼しい季節と同じ自分でいようとしなくていいのです。今日減らせた家事や、言わずに10秒待てたことも、きちんとした暑さ対策です。今夜は少し早めに体を休ませてくださいね🌱
もし、「暑さのせいかもしれないけれど、最近のイライラがつらい」「こんな気持ちを誰かに聞いてほしい」と感じたら、ページ下部の「お便りポスト」から、今の気持ちをお寄せください。
うまく言葉にまとめられなくても、一言だけでも大丈夫です🌱
参考資料
- 総務省消防庁「令和7年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」
- 環境省「熱中症環境保健マニュアル ~総論~(2025年7月版)」
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 厚生労働省「こころの耳:ストレスとは」
- 国立精神・神経医療研究センター「ストレスとセルフケア」

