「月曜日の朝が来るのが、 どうしても怖い」 「職場のあの人の機嫌に振り回されて、もう限界かもしれない……」
今、そんな風に職場の理不尽な人間関係に一人で耐えて、心をすり減らしている方はいませんか?
実は私にも、20歳の頃、職場での理不尽な扱いに耐えきれず、追い詰められていた時期がありました。
今回は、当時の出来事と、その後に「因果応報だ」と感じた自分の怒りを、今の視点から振り返ります。
異動先で待っていた、理不尽な日々
当時、私が勤めていたある食品会社の工場にはいくつかのプラントがあり、それぞれ別の製品を作っていました。ある日、私は別のプラントへ異動することになったのです。
そこで私の指導員になったのが、8歳ほど年上の先輩でした。 その人は、相手によってあからさまに態度を変えるような人だったのです。
ある作業でのこと。手際が良い人なら30分ほどで終わる作業を、私は35分で終えました。決してサボっていたわけでも、極端に遅かったわけでもありません。
それなのに、その先輩はとても荒っぽい口調で、私を激しく怒鳴り散らしてきたのです。
「おい、何やってんだよ!手際が悪いな、遅いんだよ!」
それだけではありません。少しでも距離を縮めようと世間話を振っても、私に対してはいつも素っ気ない態度。のちに分かったことですが、別の後輩も、内容こそ違えどその先輩から同じようにキツい洗礼を受けていました。
理不尽な扱いが続くうち、職場へ行くことがつらくなり、休み明けに休んでしまうことが増えました。
プラント長は、その背景を知りません。私は「月曜日によく休む人」と見られ、評価も下がっていきました。
当時は「パワハラ」という言葉も今ほど広く知られておらず、誰にも相談できないまま苦しんでいました。
異動後に知った、先輩の事故
そんな状況に気づいてくれた別の上司がいました。
その上司が動いてくれたことで、私は別のプラントへ異動できました。環境が変わってからは人間関係にも恵まれ、会社を退職する日まで、以前より落ち着いて働けるようになりました。
それから一年ほど経った頃、あの先輩が作業中の事故で大きなけがを負ったと聞きました。
その知らせを聞いた当時の私は、「因果応報だ」と感じてしまいました。長い間受けてきた理不尽な扱いへの怒りが、それほど強く残っていたのだと思います。
けれど今は、誰かが大きなけがをしたことを、私への言動の「報い」と結びつけることはできないと思っています。私が受けた理不尽な扱いと、先輩が事故に遭ったことは、分けて考える必要があります。
当時の自分が「因果応報だ」と思うほど、深く傷つき、追い詰められていた。その事実の方を、今は見過ごさずに受け止めたいと思っています。
「因果応報」と感じた自分を、今振り返って
この経験から学んだのは、「人を傷つけた人には、いつか必ず報いが返る」ということではありません。
相手に不幸が起きることを願うほど憎しみが大きくなる前に、自分を守るために誰かへ相談したり、その環境から距離を置いたりすることが大切だということです。
当時の私は、先輩の態度を変えることも、自分の苦しさをうまく説明することもできませんでした。それでも、別の上司が状況に気づき、異動できたことで、働く環境は大きく変わりました。
人に誠実に接することと、自分が理不尽な扱いに耐え続けることは違います。
相手を大切にするのと同じように、自分の心や立場も大切にしていい。今の私があの経験から伝えたいのは、そのことです。
今、職場の理不尽に苦しんでいるあなたへ
もし今、職場で怒鳴られたり、意地悪をされたりして、「自分が悪いのかな」と悩んでいるなら、一人だけで抱え込まないでください。
理不尽な人が必ず自滅するとは限りません。また、周囲の人がすぐに苦しさへ気づいてくれるとも限りません。
だからこそ、相手に報いが返るのを待つのではなく、自分を守るために動くことが大切です。
言われたことや起きたこと、その日時を記録する。信頼できる上司や社内の相談窓口へ話す。異動を相談する。その職場から離れることも含めて、自分のための選択肢を考える。
職場のいじめ・嫌がらせやパワハラについては、厚生労働省の「総合労働相談コーナー」でも、無料で相談できます。
環境から離れることは、負けではありません。つらさを我慢し続けて、誰かを激しく憎むほど心がすり減る前に、あなた自身の安全と生活を優先してほしいと思います。
気持ちを言葉にして整理したいときは、下の案内を確認したうえで「お便りポスト」へお寄せください。
参考資料
- 「総合労働相談コーナーのご案内」/厚生労働省(2026年8月25日確認)

